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25/5/29

米国糖尿病学会(ADA)からDM+MASLD対策のコンセンサスレポート

・米国糖尿病学会(ADA)から糖尿病患者の脂肪肝(MASLD)対策に対するスクリーニングと対策についてのコンセンサス公表


1. 疫学(※ただし欧米の2型DMのデータ)

・2型DMの約 70% が MASLD を合併し、その 約半数(≒35%) は進行型の MASHの可能性がある

・2型DM/肥満例の18% が「中~高リスク線維化」、9.3% が「高リスク線維化」に該当




2. スクリーニングの対象

・原則、2型DMor前糖尿病+肥満(BMI ≥ 25 kg/m²)を持つ成人は全員が評価対象。



3. 2段階アルゴリズム(数値閾値)

■一次評価はFIB-4で行う

・低リスク:< 1.3 → 1–3 年ごとに再評価(2型DMなら毎年、前糖尿病なら 2–3 年)

・中リスク:1.3–2.67(65 歳超では 2.0–2.67)

・高リスク:> 2.67(FIB-4 単独での高リスク判別力:AUC 0.78と高い)


■二次評価は、中リスク以上で実施

・エラストグラフィ(VCTE(Fibroscanなど))

< 8 kPa:低リスク、かかりつけで経過観察

8–12 kPa:中間ゾーン → 肝専門医へ紹介

12 kPa:高度線維化疑い → 精査(MRE/生検)


・ELF(Enhanced Liver Fibrosis score(血清マーカー 3 種の組み合わせ)

< 7.7:低リスク

7.7–9.8:中間

9.8:高リスク

FIB-4→VCTE 2段階法の陰性的中率 91%(高リスクを取りこぼさない)





4. 早期介入で目指す具体的アウトカム

・体重減少目標

・7–10% 減量で炎症指数(NAS)改善・NASH 解消率 58–64%。

・≥ 10% 減量で 90% が NASH 消失、45% が線維化後退。



5. 薬物療法の位置づけ

・GLP-1 受容体作動薬/チルゼパチドや

・MASH 専用薬(例:レズディフラ)


6. 最後にキーメッセージ

・「まず FIB-4」を忘れない

・専門医紹介の数値基準を明確化 VCTE 8 kPa 以上/ELF 7.7 以上

AASLD

・体重 7–10% 減を可視化、目標と実績を電子カルテで共有




※日本人では肥満度、疫学が全く違うとは思いますで、あくまで参考までに。


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40434108/




https://diabetesjournals.org/care/article/doi/10.2337/dci24-0094/160536/Metabolic-Dysfunction-Associated-Steatotic-Liver

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Dr.U 糖尿病メモ 
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