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25/5/28

日本糖尿病学会から「第5次 対糖尿病戦略 5ヵ年計画(2025-2029)」公表

日本糖尿病学会から 「第5次 対糖尿病戦略 5ヵ年計画(2025-2029)」公表



1. 位置づけと目的


  • 糖尿病・予備群は国内で2,000万人超。超高齢社会を背景に、国家的課題として“寿命差の縮小”と“QOL 向上”を掲げる。

  • 2004年から続く5ヵ年計画の第5次版。オリジナル版の要点を抜粋し、行政・医療者・市民向けの説明資料として編集。



2. 第4次計画の検証(振り返る)

  • 重点施策(大規模データ、先端研究、人材育成、社会啓発、感染対策)の進捗を総括。

  • 例:J-DREAMS 登録10万人超、1型データベース TIDE-J 整備、COVID-19 下の情報発信など。


3. 第5次計画がめざすもの(見通す)

  1. 法的基盤の整備 ― 「糖尿病対策基本法」制定を中核とし、医療・福祉・就労・教育を包括。

  2. 個別化医療の深化 ― ゲノム・マルチオミクス解析、新薬開発、AI/CGM を活用した精密医療。

  3. デジタル活用 ― 遠隔診療、スマホアプリ、行動変容支援を平準化し地域格差を是正。

  4. 持続可能な医療体制 ― 適正使用と安定供給、診療報酬見直しで専門医の貢献を可視化。

  5. “糖尿病があっても人生100年”の社会 ― スティグマ解消と共生社会の実現


4. 主要テーマ別ハイライト

領域

重点施策・キーワード

究める:先端基礎・臨床研究

β細胞再生・膵島移植・免疫療法、T2D 遺伝解析、AI診断、CGM/AID の進化

統べる:データ利活用

全国電子カルテ標準テンプレート → J-DREAMS/TIDE-J/NDB 連結、Society 5.0 医療版

育てる:人材育成

専門医・CDEJ・保健師の増強、タスクシフト 3視点、若手研究者支援、女性活躍と働き方改革

交わる:社会・世界との対話

アドボカシー活動、DiaMAT 災害支援、呼称変更検討(「ダイアベティス」)、国際学会連携

整える:連携強化

他科合同ガイドライン(高齢者糖尿病、がん治療中血糖管理等)、診療報酬評価の是正

備える:感染症・災害対策

COVID-19 で明確化した高リスクに対応、平時からの血糖管理・ワクチン推進、災害診療マニュアル2024


5. 今後5年間の指標例

  • 法整備:基本法成立と実行計画策定

  • データベース:J-DREAMS 参加施設・登録数の倍増

  • 専門医・CDEJ:地域偏在是正を示す人数指標

  • 女性比率:理事会 30%・委員会 20%

  • 災害対応:全都道府県で DiaMAT 派遣体制確立





日本糖尿病学会 「第5次 対糖尿病戦略 5ヵ年計画(2025-2029)

2025.5.28公開



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Dr.U 糖尿病メモ 
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