米国糖尿病学会から「糖尿病の標準治療2026」
Standards of Care in Diabetes – 2026(2025/12/8発表)
【2型DMにおける薬物フローチャート】 (2025年から大きな変更はありません)
・心不全:SGLTi推奨 →「肥満があれば SGLT2i and/or GIP/GLP-1, GLP-1推奨」を追加
・CKD:SGLT2i、「透析導入まで継続」→削除 (ただし11章:CKDのフローチャートには記載残ったまま)
・CKDについては、GLP-1記載のまま(GIP/GLP-1は記載なし)
・「A1c目標」→「Glycemia目標」に記載変更
★その他、2025年からの変更点のうち、気になった点を抜粋
【生活・予防】
・薬剤性高血糖(ステロイドなど)に対するメトホルミンの予防的考慮に関する推奨が追加
・糖尿病予防のための減量目標として、初期体重の5〜7%の減量が維持されるべき
・肥満治療:BMIに加え、体脂肪分布(腹囲など)の測定を推奨
・1型の肥満に対し、GLP-1を治療選択肢に追加
・電子タバコの使用回避
【心腎肝】
・T2D合併MASHに対し、「MASHへのベネフィットが示されたGLP-1 RA」(GIP/GLP-1 RAやピオグリタゾン)を推奨
・FIB-4 indexによるスクリーニング、肝臓専門医への紹介フロー更新
・骨折リスクが高い場合、Tスコア -2.0 〜 -2.5でも薬物療法を考慮
・心血管疾患や腎疾患ハイリスクでは、SBP<120 mmHgを目標
・症候性HFpEFに対し、SGLT2阻害薬に加え、GIP/GLP-1 RAおよびGLP-1 RAの推奨が追加
・症候性心不全(EF>40%)に対 し、非ステロイド型MRAの推奨が追加
・アルブミン尿を有するT2D患者へのSGLT2阻害薬とnsMRAの同時開始に関する推奨追加
【他】
・CGMの分類から「isCGM(FGM)」という区分が外れる(「rtCGM」「OTC-CGM」「Professional CGM」の3つに再編)
・AID(自動インスリン注入): インスリン使用中のすべてのT1DおよびT2D成人に対し、AIDシステムの提供が推奨
・学校や職場などの救急箱に経口ブドウ糖を含めることを推奨
・GLP-1 RA治療が眼(NAION等)に与える影響についての記述追加
・高齢者の血圧(健康な高齢者は血圧 <130/80 mmHg、健康状態が悪い場合は <140/90 mmHg)という目標設定が明記。
・小児・思春期:T2Dに対する薬物療法(GLP-1 RA、SGLT2阻害薬、Dual GIP/GLP-1 RA)のデータが更新。
・妊娠: 妊娠前のGLP-1/GIP/GLP-1 RAの中止に関するガイダンス変更
・待機的手術の3ヶ月以内に A1C <8%(またはGMI <8% / TIR >50%)を目指す推奨が追加
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